渡部陽一「1000枚の戦場」63~66/1000
戦争はなぜ起こり、どうやって終わっていくのか?
そして、人々はどのような暮らしをしているのか。
戦後生まれの私たちはほとんど知りません。
そこで、今回から、約130の国と地域を取材し、様々な紛争地のリアルを撮影し続けている渡部陽一氏が世界で今、起きている戦争について解説します。
第1回目は2月24日にロシアの侵略から1年を迎えるウクライナ戦争です。
「1000枚の戦場」
渡部陽一が解説する「戦場」の日常。近いようで遠い世界の本当の姿を1000枚の写真が映し出す。隔週土曜日に最新回配信。
こんにちは。戦場カメラマンの渡部陽一です。
ウクライナ戦争は2023年2月24日で主権国家ウクライナに、ロシアが軍事侵略を起こしてから、ちょうど1年を迎えます。
ロシアの誤算とは?
開戦当初、ロシアのプーチン大統領は「大規模兵力を使って、一気にウクライナを制圧する」。
こうした思惑で約19万の大規模兵力をウクライナ全土に向かわせました。
ただ、ウクライナ軍、世界中からの軍事支援を受けながら、ゆっくりゆっくりであっても攻勢を広げてきています。
兵力が少なくても、欧米などからの支援で、ウクライナ軍がロシア軍を押している。今後、アメリカ軍からエイブラムス、イギリスからはチャレンジャー、
ドイツ軍からレオパルト2。さまざまな戦車が入ってきます。
現状では、前線のロシア軍兵士の士気はもうボロボロ。
「少しでも休戦になってほしい」というロシア軍の兵士の本音はもうむき出しになっています。
1年が経ち、今後の展望は?
これから見ておくべき場所は、東南部一帯のロシア実効支配地域。
「実効支配」というキーワードで見ていくことが大切なのかもしれません。
前線の取材で気付いた事は、あえてロシアもウクライナもお互いをどちらが勝ったどちらが負けた勝敗をあえて公表しない。
グレーゾーンの状態を保ちながら、どちらが勝った負けたをしっかりと言わずに、東南部一帯の地域の線引きをウクライナ軍が一定の地域を押しながら、
ロシアでも一部地域を駐留していく。
こうした状況というのは、2014年のウクライナ内戦の時と似ています。
その他、本動画のPOINT
① 欧米諸国や中国の介入による「休戦」の可能性はある
② 現地・首都キーウで見たウクライナ国民の意思は「勝つ」
③ 民間軍事会社「ワグネル」の台頭で、ロシアに内紛の兆候
【その他の写真】
・写真8/1000:人道回廊で蜂の巣にされた車
・写真12/1000:並ぶ戦車(ウクライナ)
・写真17/1000:溶けたロシア軍戦車
・写真19/1000:広大なひまわり畑
・写真23/1000:忘れられた孤島「スーダン」
・写真27/1000:タリバーンが力を再興させた「アフガニスタン」の今
・写真31/1000:新疆ウイグル自治区で暮らす人々
・写真35/1000:「トランプ・共和党」熱狂の背景を映した1枚
・写真39/1000:金日成・正日が示す威光
・写真46/1000:ウクライナの悲しみを表した赤と黒の旗を羽織る少年
・写真51/1000:頭にボールを乗せるイラクの少年
・写真55/1000:イラクの群衆
・写真61/1000:街中を監視するアフガニスタンの男性セキュリティ
👇毎配信をまとめて視聴は以下より👇 (今回の動画は2023年2月に撮影しました)
「戦場」の真実をどのくらいの人が理解しているか。戦場にある悲惨な現実。犠牲になるのは子どもたち。一方で、戦場にいる人々は「私たちと同じ」日常を持っている。これも「戦場の本当の姿」――。戦場カメラマン渡部陽一が撮ってきた写真の中から、1000枚をピックアップ。写真とともにその背景を知る。「戦場の真実」と「世界の本当」を学ぶ。
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