夫婦カウンセラーとしてこれまで2000組以上の夫婦をサポートし、著書『夫は、妻は、わかってない。夫婦リカバリーの作法』でも注目を集める安東秀海先生が、読者の皆様から寄せられた夫婦関係のお悩みにお答えする「夫婦リカバリー相談室」。

 シリーズ「夫婦リカバリーの法則」では、夫婦の問題を解決に導くための様々なアプローチを安東先生が紹介、解説していきます。第1回では、違和感を紙に書き出してみることをお勧めしました。今回はさらに詳しく問題を分解・整理する方法をお話しします。(第2回)

【第1回】「どうしてうまくいかないの」夫婦カウンセリングにおける「問題の構造」のとらえ方

(写真:Prostock-Studio / iStock / Getty Images Plus)

分解することで見えるもの

 違和感に感じることを書き出す、といっても夫婦の場合、対象となる範囲が大きすぎて具体的な事柄が思い浮かばないかもしれません。そんな時にはまず、「コミュニケーション」「考え方と価値観」「感情」それぞれの視点から問題に感じることはないか確認してみます。

 コミュニケーションであれば、

  • 日常的な会話はできているか?
  • 批判的・否定的なやり取りが増えていないか?

 考え方と価値観であれば、

  • 話し合うとよく意見が衝突することはないか?
  • 理解されていないと感じること、理解できないと感じることはないか?

といった視点で、それぞれ紙に書き出します。

 「ケンカが増えた」ことが問題なら、「どんな時ケンカになるのか?」「感情的にヒートアップするのか?」それとも「冷戦状態になってしまうのか?」とさらに分解をしてみます。

 大きな括りで問題と感じることを、細分化して掘り下げる方法をチャンクダウンと言います。「chunk」は認知心理学で使われる用語で、ぱっと見たときに「まとまり(意味的な塊)」を感じる単位のことを指します。一見バラバラで乱雑にみえる事柄も、まとまり感を使って分類することで理解しやすくなります。

 いっぽう、私たちが感じる「まとまり」にはそれぞれの考え方のクセやパターンが反映しやすいもの。繰り返す問題や行き詰まった状況を打開するには、いつもとは違った視点で再整理してみることが有効です。

 例えば...