世田谷パブリックシアターで『ロボット』(原作:カレル・チャペック、潤色・演出:ノゾエ征爾)を観劇しました。
原作はチェコの劇作家カレル・チャペックによって1920年に発表された戯曲で、この作品で「ロボット」という言葉が生み出されたと言われています。
以下、ネタバレ注意! だいぶ書き過ぎました……
物語のほとんどは、孤島にあるロボット製造会社を舞台に進み、個性豊かなキャラクターが笑いを誘います。一方で、人に代わる労働力としてロボットが普及した社会や、人類の行く末までが描かれる、スケールの大きいお話でした。
舞台にはシンプルな横長の箱が積みあがっていて、俳優達が箱を運んで組み上げることで場面ごとに舞台の形が変わっていきます。この場面転換が、まさにロボットが労働しているところのように見えるのが面白く、最後の形にもビックリさせられました。
何年か前に戯曲を読んだのですが、俳優の演技で見ると文字で読む以上に想像力が膨らんで、シンプルな舞台美術にもかかわらず、SFっぽい工場やロボットの軍勢が目の前に浮かぶようでした。
先週のシンクロ通信でも「ロボット掃除機」の話を書きましたが、現代ではかなりロボットと人間が共存しつつあるように感じます。
このままロボットやAIが普及していったらカレル・チャペックの世界と同じようなことが起こる……とは、あまり思わないのですが、少なくとも新技術が普及するときには、将来への影響や責任を考える必要があるということを改めて考えさせられました。
世田谷パブリックシアターでの公演は12月1日まで、その後は兵庫公演もあるようです。
(編集・谷本)