優勝が期待されたアジアカップは準優勝に終わった。とりわけ決勝・カタール戦の衝撃的な敗北は何を示していたのか。
日本サッカー界の課題
岩政 今日はゲストが・・・坪井健太郎さんです。
坪井 誰、って感じでしょうが(笑)。スペインで指導者をしています。
岩政 いやいや、みなさん知ってますよね。
(コメントを見て)
坪井 知ってる、あ、うれしいです。研究所も! ありがとうございます。
岩政 10年ですか、指導は?
坪井 11年、経ちました。前回出た『スカサカ!ライブ』も反響があって・・・向こう(スペイン)に住んでると実感がないんで・・・ありがとうございます。
(コメント「重版おめでとうございます」)
岩政 重版! ありがとうございます。これは本当に皆さんのおかげで、うれしいです・・・ということで、日本代表が終わった直後ですし、みなさんと坪井さんと一緒に日本代表をとおして見えた原則的なこと、判断のいい悪いは別として、こういうところがあったほうがいいんじゃないか、とか。スペインで指導されてどういうふうに見えたのかな、とかをお話していきたいと思います。
坪井 はい。
岩政 2試合、森保ジャパン全体でもいいですけど、まず4?4?2ないし4?2?3?1で入っていて、いま(スタメン選手を)全替えで2試合行うじゃないですか。これって坪井さんはどう思われますか。現場目線で言うと。
坪井 チーム作りでいったらプレシーズンみたいなもので、どちらかというとこの2試合は、テスト的な要素が強いだろうなっていうふうに見てて、誤解をおそれずに言えば、結果度外視でこのレベルの相手に各選手がどれくらいのパフォーマンスを見せるかっていうのを見たかった2試合だっただろうなっていうのが現場目線でした。
岩政 ということは、ファーストチョイスから、セカンドの組み合わせを持って行った中で、組み合わせ言うと、鎌田が1トップやるなら南野のほうが合っていたんじゃないか、とか、いろいろなところでファーストチョイスとセカンドチョイスの使い方になったところで、組み合わせがうまくあわなかった場所とかってあるような気がしたんですけど、それよりもまず全員を使いたかった。
坪井 たぶんそうですね。で、こういうときってだいたい中心選手をまずベースに考えていて、プレシーズンとかって。僕らは。現代の日本代表のチームで中心になるのは、今後のことを考えると中島。だからここ中心にどういうふう絡みをみせるのか、とか。ディフェンスラインだったら冨安なのか、他の選手なのか。この中心に対してどう絡んでいくのか、を考えていくんですね。この時期。だから森保さんがどういう意図で選んだのか、直接聞いてみないとわからないですよね。
岩政 1‐0で負けて、1‐0で勝ってという2試合。坪井さんはいい評価ですか、少し・・・僕は停滞感を見てるんですけど。たとえば攻撃面。
坪井 中島、左のワイドが起点になるじゃないですか。ここに対して、どういうふうにボールを動かしてチャンスを作っていくのかっていうのが、2戦目のボリビア戦なんかは、乾なんですけど、現象としては出てたんですよね。
で、日本代表のレベルだったら、この90分のなかで、「あ、今日のゲームの相手の守備方法と自分たちのラインナップ、個性、みたときにここチャンスだな」っていうのを感じ取って、一回うまくいった現象を再現性をもってやれているのかを観るんですね。
そういった意味では、乾の足元に入ったとき、中島の足元にはいったときにチャンスができてるってことは、相手の守備を一回、反対に寄せておいてからサイドチェンジ。ボリビア戦は結構、この形ができてから。右で作って、全体寄って相手がスライドしてきて、?ボリビアも4?4?2で相手も強めにスライドしてきてたから。そこからサイドチェンジして、ここから乾でしょう。タイミングによってはサイドバックが上がって2対1をつくる。
このような形が自然発生でできてるのか、チームの中で共通理解を持ってやってるのかは重要ですね。
岩政 その点でいくと、前半の途中くらいから、乾がサイドにポツンと残って、ボールを呼び込んで、っていうのが何回かあったじゃないですか。...