金曜日は、ニューヨークよりお届け。といっても配信時間の9月27日の午前6時は、こちらではまだ26日木曜日の午後17時。サマータイムのいまは、日本と13時間の時差があります。
さて、いまをさかのぼること7年前。新宿の鳥料理のお店で、小説家の額賀澪さんと打ち合わせと称して、水炊き鍋をつついておりました。そのときが額賀さんとは初顔合わせ。
額賀さんは2015年に松本清張賞と小学館文庫小説賞をダブル受賞して、華々しく文壇にデビュー。しかし、いまなお続く(より悪化している?)出版不況の中、なかなか小説が売れない時代。こちらも書籍の編集者として、「本が売れない、本が売れない」というのが、口癖のようになっていました。
「お互い大変ですね」と言い合いながら、それでは、どうしたら本が売れるようになるのか、その方法を探す本をつくりませんか、ということで、意見が一致。
額賀さんには、「この本は小説ではないので、売れなくても額賀さんのキャリアに傷はつきません。刊行の目的は、この本が売れることではなく、額賀さんがベストセラー作家になることです」と伝えました。
そして、誕生したのが、『拝啓、本が売れません』という身も蓋もないタイトルの書籍です。
時が過ぎ、昨年、2023年、額賀さんの作品である『転職の魔王様』が、フジテレビ系列でドラマ化されました。『拝啓、本が売れません』の中には、「作品が映像化されるにはどうすればよいか」という内容があり、その目標を実現したことになります。(ちなみにこの本の装丁デザイナーは、『拝啓、本が売れません』で取材をした川谷康久氏だったりもします)
また額賀さんは小説を執筆するだけでなく、日本大学、大正大学で、小説執筆の講義を担当。それが学生に大好評と、キャリアの幅を広げています。
一方で、私の方は働く場所こそ、東京からニューヨークに変わったもののなにも進歩がないままではありますが……。
そんなおり額賀さんに、「ニューヨークに引っ越したんですが、なにか面白いことしませんか」と始めたのが、『拝啓、小説を書いてみませんか』です。
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編集・雪