先日、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『リア王の悲劇』を観劇してきました。

今回の上演は、河合祥一郎氏による新訳の日本初上演とのこと。シェイクスピアの四大悲劇のひとつとあって物語は厳しい展開が続くのですが、それぞれの登場人物たちの心情がよく伝わってきて、観客として感情移入しながら楽しめる舞台でした。

実は、今年に入って『リア王』を観るのはこれで二度目です。前回観た別のプロダクションとの演出や翻訳、キャストの違いを比較しながら鑑賞するのも、新たな発見があり、とても興味深い体験になりました。

今年は特に多くの劇場で『リア王』の上演がある印象を受けます。もともと根強い人気を誇る作品ですが、まさに今だからこそ、人間の苦悩や葛藤を描いた「悲劇」が共感を呼ぶ理由があるのかもしれませんね。(四大悲劇の他の戯曲もよく上演されているようです)

時代を超えて人々の心に響く古典の奥深さを実感しました。

(編集・谷本)