リバプールに移籍して約6カ月。ヨーロッパに移籍して初めてのタイトルを獲得した遠藤航。その心境を独占告白(3990文字)。
・ウェンブリーを楽しもう
・やっぱりすごかったカイセドとエンソ
・ファンダイクの存在感、ルイス・ディアスにマクアリスタ
ウェンブリーの雰囲気を楽しもう
――優勝おめでとうございます。疲れていますか。
遠藤 いや疲れてはいないですね。
――カラバオカップの決勝はチェルシーとの一戦でした。遠藤さんにとっては初めての相手です(リーグ戦は移籍前とアジアカップ期間中に行われた)。延長戦にもつれ込み、残り2分でキャプテン・ファンダイク選手がゴールを決めました。すごい試合でしたが、いかがでしたか。
遠藤 まずひとつ、タイトルを獲れてよかったな、と。試合に出させてもらってはいましたけど、結果を出せなければ意味がないので。優勝という形で結果を残せたことが大事だったと思います。
――いいパフォーマンスをしても結果が出なければ意味がない。
遠藤 そうですね。1位と2位では全然、違いますから。
――決勝にはどういうイメージで臨んでいましたか。
遠藤 あんまり決勝だから、チェルシーだから何かを変えようというのはなかったですけど。純粋に、決勝という舞台をウェンブリー(サッカーの聖地と言われる伝統あるスタジアム)でできる、その雰囲気を楽しめればと思っていました。
チームメイトもリラックスしていましたしね。
――大舞台に動じる雰囲気がなかった?
遠藤 長くリバプールにいる選手たちはこういう「決勝」や優勝がかかった試合、あとはチャンピオンズリーグなんかも経験しているから、そういう意味では「一つの優勝」というくらい、いい割り切りができていて、普段通りにプレーできるのかな、とは思います。
怪我人が多くて、若い選手たちもベンチ入りしていたので、彼らがどうかはわからなかったですけどね。
――本当に怪我の選手が多くて、ベンチ入りメンバーに10代の選手が5人、そのうち3人は途中交代で出場もしました。
遠藤 そういう中で戦わないといけない、という状況もふくめてみんなで試合をした感覚でしたよね。緊張感とかそういうものもありつつ、チームとして何とかしようと全員が戦っていた。だから価値があるし、監督(クロップ)も喜んでいたし。
タイトルを獲るって本当に簡単なことではないですからね。
――クロップ監督の交代もすごかったですね。トップチームの経験がほとんどない選手もためらわず交代カードとして使って行きました。
遠藤 すごかったですね。誰が疲れているか、とか全体を見ながら選手を代えていたと思いますし、根拠がある交代なんだろうなと感じました。
――遠藤選手も疲れているように見えましたが……
遠藤 「ENDO」はまだ走れると思ってくれたんだと思います(笑)。実際、疲労もあったし、足首も痛かったのはあったんですけど、監督はそれでも「走れる」ってわかっているので。
だから「疲れている」が基準というより、そういうきつい状況のなかで動けるのか、動けないのか、何ができるのか、みたいなところを見ているんだと思います。
やっぱりすごかったカイセドとエンソ
――「痛み」という話がありました。実際、松葉づえもついていました。状況は?...