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1)近況と鈴木誠也の変化
2)大谷翔平との記憶

 ・かつて何度も聞かれた「大谷・二刀流はできますか?」への答え
 ・「投手・大谷」対策とそれに応じる大谷翔平
 ・目の前で見た大谷翔平のプロ初ホームランに「驚きなし」
 ・メジャーでの再覚醒、すごさは「変化への勇気」

近況と鈴木誠也の変化

 4月に入り、ようやく野球が始まった、という感覚があります。プロ野球の解説をさせてもらったり、海の向こうでは日本人メジャーリーガーの活躍が気になったり。

 自主トレを見学させてもらったこともある鈴木誠也は、今オフのトレーニングやキャンプでやっていた打ち方とずいぶん違う形でスイングをしていました。

 一流の選手はいろんな試行錯誤をする勇気があります。ということで、今回は一回は触れなければいけないであろう「大谷翔平」について、僕の記憶と思いを綴ってみたいと思います。

 ここから続々とコンテンツを配信していきます。まずは質問回、そして今江との対談後編。対談シリーズの次は松井稼頭央さんです。

 さらに「半生を語る」シリーズでは大学までを振り返りました。キーマンはいずれも僕のことをよく知った人たちで、懐かしくいろんな思い出を振り返っています。楽しみに待っていてください。

大谷翔平との記憶

かつて何度も聞かれた「大谷・二刀流はできますか?」への答え

 2025年の大谷翔平もやっぱり健在である。

 多くの人が注目したであろう日本で開催されたメジャーリーグの開幕シリーズ。東京ドームの屋根を直撃しながらスタンドインしたとされる驚きのホームランを皮切りに、アメリカに戻っても期待以上の活躍を早くも披露してくれています。

 見た者が声を失ってしまうほどの大谷のパフォーマンスは、NPBでのファイターズ時代から変わっていません。

 楽天で指導者をしていた僕自身も、それを目撃したひとりでした。

 花巻東で通算56ホームランを放ち、当時の高校生では最速となる160キロをマークしたことで注目を浴びていた大谷は、高校卒業時点でメジャーリーグに挑戦するつもりだったと言われています。そんななかで日本ハムが1位で指名し、口説き落とした。大谷が決断した大きな理由として挙げられているのが、バッターとピッチャー両方でプレーする〝二刀流〟の挑戦でした。

 大谷が日本ハムに入団した2013年、僕は楽天でバッティングコーチ補佐として一軍にいたことで、沸騰していた「二刀流論争」に少し巻き込まれました。

 二刀流挑戦に際して賛否が渦巻いていたシーズン開幕前。メディアからよくこんなことを聞かれたものです。

 ――大谷はどちらのほうがプロで通用すると思っていますか?

 僕の答えは毎回、決まっていました。...