日本代表が始動し、カタールワールドカップに向けて新たな準備を進めています。ブラジル戦など注目カードも多いシリーズになりますが、今回のNewsLetterでは、シュツットガルトの1部残留を決めた「伝説の試合」と「劇的ゴール」について遠藤航選手に綴ってもらいました。
刺激的だった恩師・曺さんとの「試合レビュー」
オカ(岡崎慎司)さんとのlive配信以降、少し時間が経ってしまいました。
ブンデスリーガの長いシーズンが終わり、日本代表へと活動の場所を移しています。このレターが配信される頃には、パラグアイ戦が終わってるかもしれません。
ワールドカップに向けて半年を切っていますから、メンバーに選ばれるよう、そして代表の目標であるベスト8進出を果たせる力をチームに与えられるように、頑張っていきたいと思います。
さて、5月に配信したライターのミムラさんが聞いてくれたドルトムント戦、僕の恩師である曺さん(貴裁)に出ていただいたバイエルン戦の「PICKUPMATCH」はどうだったでしょうか。
あのときは、まさかシーズンがあんな展開で終わるとは想像もしていませんでした。正直にいえば、プレーオフも覚悟していたくらいです。
このあたりの「窮地」に対するメンタリティについてはいずれまた、お話できたらと思います。人とは違ってユニークだと言われるので(苦笑)。
ミムラさん、曺さんの「PICKUPMATCH」に加え、オカさんとの対談、どれも個人的に刺激的で、楽しかったのでご覧になっていない方はぜひ、見てみてください。
あ、あと6月18日(土)には、みなさんの前でお話し、お答えする機会があります。そちらもチェックしてもらればうれしいです。サッカーをはじめいろんなことの「最適解」を探し続けているこのコンテンツを、みなさんと作っていきたいです。
👉6月18日(土)遠藤航選手、平塚に登場。トークイベント開催決定!
「僕の日じゃないな」と思った決定機
と、前置きが長くなりましたが今回は少しだけ、1部残留を決めることができたケルン戦についてお話します。
この試合は、チームとしても、個人としてもやることがはっきりしていた一戦でした。
僕たちシュツットガルトは「勝つ」しか選択肢がない。勝ったとしても、ヘルタ・ベルリンが引き分け以上の結果を出せば、僕たちはプレーオフを戦うことになる。
勝つ、そのためには点を取る。
前半からアグレッシブに攻めました。それは実を結び、前半14分という早い時間帯に1点を先制します。その後も、2点目、3点目を狙いに行く。あの前半の出来からすればそれは実現できたはずです。
だけどそうはいかないのがサッカーです。
僕も2度、決定機を外してしまいます。1試合であれほど決定機を迎えることはこれまでのサッカー人生でもありませんでした。2本目のシュートがゴールバーをたたいたとき、「ああ、僕の日ではないな」と思ったことを覚えています。
結果的に僕はこの試合で5本のシュートを打っています。その最後が決まったわけですが、そのくらい勝利へかける思いは強かったと思います。
押し込んだ前半を終えて1対0。
見た目には悪くないように思われるかもしれませんが、個人的にもチーム的にも「ちょっと嫌な空気」がありました。それくらい、全員がチャンスで得点を逸していた。
ハーフタイム。
選手のひとりが...