過去最長4時間にわたる大イベントの理由
6月25日、晴天の日曜日。
シンクロナスで配信する、サッカー日本代表主将でありシュツットガルトに所属する遠藤航選手のコンテンツ、「月刊・遠藤航」のイベントが横浜で開催されました。
2021年10月の配信スタート以来、毎月欠かさず動画やテキスト(NewsLetter)、Liveなどコンテンツを更新し続けた遠藤選手。
そのコンテンツ本数はなんと100本になりました(定期購読いただくとすべてご覧になれますのでぜひ!)。
人気コンテンツのひとつに遠藤選手が自身が実際にプレーをした試合を振り返る「PICK UP MATCH」があります。
このコンテンツでは、守備的MFというスポットの当たりにくいポジションでプレーをする選手が、試合中にどんなことを考え、チームの勝利に貢献していこうとしているのか、時にボードを使いながら個人戦術や技術を詳らかに、隠すことなく話しています。
その内容は、もし相手選手に知られたら対策されちゃうんじゃない? 大丈夫? と編集部が心配になるほどのレベルの高さでした。
そうをしてでもコンテンツを配信し続ける背景には、ある遠藤選手の思いがあります。
多くの人に支持されるサッカーというスポーツは、「これが最新の戦術だ」「いや、こうだ」といった議論が活発ですが、それはときに「解答」があるかのような言われ方をします。
例えば、「あのプレーはこうすべきだった」とか「今回の戦術は間違っていた」などなど……。
「結果で正解・不正解のような指摘をされるのは仕方がない部分があると思います。でも、そのなかで成長しようと思ったら、やったことに対して正解・不正解を決めてはいけない」
遠藤選手はそう言います。「月刊・遠藤航」の冒頭にはこんなふうに記しました。
「サッカーは“最適解”の見つけ合いだと思っています。相手、システム、能力、特徴、コンディション…それらを考慮しながら、勝つために自分たちは“どれ”を選ぶのか。これはサッカーの楽しさであり醍醐味でもあります。もっと“最適解”を見つけたい、聞いてみたい。そんなコンテンツです」
選手たちはピッチ上で自分が持つ能力の中からいろんな選択肢を瞬時に判断しています。
結果としていい方向にいくことも、悪い方向にいくこともあります。
選手がやるべきことは「最適解」を探す精度を上げていくこと。選択肢をもっと多く作っていくこと。
そうやって遠藤選手は自身を成長させてきました。
だから、そうした「選手たちの目線」「最適解探しをする頭のなか」を覗いてもらえるようなコンテンツを――。それが「月刊・遠藤航」でした。
コンテンツを配信し続けひとつの思いが芽生えます。
「実際のピッチに一緒に立つのがいいんじゃない?」
「選手たちの目線」を、「最適解探し」を、知ってもらうには、そういうコンテンツも意味があるのではないか――。
そうして「世界基準のDUELを体感せよ」イベントが計画されました。その名の通り、(会員の)みなさんとピッチ上で対面し、ボールを蹴り、そしてDUELを繰り広げるモノです。
ということで、今回はそのイベントを詳しくレポートします。
衝撃のうまさだった小学生たち
第1部では、選ばれた小学生30人とその保護者の方、約60人とともにスタートしました。
前半1時間は屋内で選手たちの疑問に回答する質疑応答とサイン会。
質問では、事前に受けた「骨折をしてしまったのですが、ケガのときどんなことをしていましたか?」といったものや、参加者が挙手して聞いた「PKを蹴るときに緊張してしまうけど、どう考えればいいのか」「ボールを受けたときスペースをなかなか見つけられない」といった具体的な質問に遠藤選手が答えます。
メモを取ったり、深くうなずきながら聞く小学生に遠藤選手も普段の取材のように真剣なまなざしになっていきました。
その後のサイン会では、一変してまさに小学生の素顔。
「名前、入れてください!」
「平仮名で大丈夫!?」(遠藤選手)
「はい!」
サイングッズを抱え、いよいよピッチへと移動します。
そしてピッチでDUELを体感
屋内のイベントを終えていよいよピッチへ。
最初は低学年と高学年に分かれ、一方は遠藤選手との1対1勝負、もう一方はこの日、特別に参加してくれた遠藤選手のフィジカルを支えるパーソナルトレーナー・小林竜一さんによる「DUEL」トレーニングを行います。
1~3年生 遠藤航選手と1対1対決
4~6年生 小林竜一さんに学ぶ「DUEL」トレーニング
1対1をひとり2回経験し、その後は2対1で遠藤選手に挑み、2人の選手がゴールを決めました。
これには遠藤選手も苦笑い。
その後、低学年と高学年が交代します。
1~3年生 小林竜一さんに学ぶ「DUEL」トレーニング
4~6年生 遠藤航選手と1対1対決
「やっぱり高学年になると駆け引きする選手が出てきて楽しかったですね。跨いだり、フェイントを入れてきたり」
そう遠藤選手が振り返るように、2回戦目からは遠藤選手の間合いは近くなり、その迫力に保護者の方から「おぉー」という声が上がるほど。
一方の低学年の小学生たちは普段とはちょっと違った体の使い方、動かし方に四苦八苦。
それでも「家に帰ったらやってみる!」という子もいたようで……小林さん、本当にありがとうございました!
さて、その後はお待ちかねの試合です。
6人×5チームに分かれた試合
5チームに分かれて全4試合。即席のチームで4分を戦います。
遠藤選手は「フリーマン」として参加。全チームが2回、「チームメイト・遠藤航」とゴールを目指しました。
「みんな、うまい」
遠藤選手が唸るほど、真剣にときに初めてのチームメイトに指示を出しながらプレーをします。
ゴールを決めてハイタッチを交わす姿や、シュートブロックをして「ナイス!」と声を掛けられる姿に、スタッフ一同もつい見入ってしまいました。
事情があってピッチでプレーできなかった二人の小学生を含め、遠藤選手とサッカーをしたい、という思いで出会ったみんながこれからまた違った場所で、同じような気持ちでボールを追いかけてくれたらいいなあと思っています。
第2部は大人も交じって「DUEL」体験
小学生との2時間に及ぶトーク&ピッチイベントを終え、休むことなく始まった第二部。
総勢60人の会員の方とピッチからスタートしました。
最初に小林竜一さんから遠藤選手と普段やっているトレーニングや、日常生活でなかなか運動する機会のない人でも大事な運動をレクチャーしてもらいます。
股関節を意識し、正しいポジションを作ることで力を入れなくても「ブレない」――そんな姿勢を実践すべく……遠藤選手に180センチを超える小林さんが飛び乗ります。
「絶対に無理はしないでください!」と声を掛けられながら、参加者みんなで小林さんのトレーニングを実践していきます。
一見、簡単そうなポーズも、実はやってみると難しい。
「いかに選手たちがすごいか、身をもって知りました」
参加者のひとりは汗をぬぐいながらそう振り返りました。
その後、いったんブレイクタイムとして「遠藤選手のチャレンジ企画」。
3球以内に「約30メートル先にある横幅3メートルほどのゴールの“バー”」に蹴ってボールを当てることができるのか?
参加者の皆さんには「当てられる」「当てられない」を予想してもらいます。
6割以上が「当てられない」を予想する結果に、「信頼されてない!」と遠藤選手も大笑い。結局、数センチのところでバーに当たらず「まだまだ努力が足りないってことです、頑張ります」と参加者を笑わせていました。
そして、いよいよ大人版「DUEL体験」が始まります。
まずは1対1。
遠藤選手が持っているボールを30秒以内に奪うことができたら勝ち、というルールだったのですが、ここで遠藤選手から「サークルの中からボールを出したら勝ちでいいです」と提案が。
半径1メートルほどの円で、ちょっとボールに触れることができれば負けてしまうのですが……。
スタッフに「本当にいいんですか?」と念を押され、「大丈夫です!」と一言。
ルール変更を聞くと、まばらだった挑戦者が増えて4人と対峙することになりました。ボールコントロールに失敗し、一度だけボールを外に出してしまうハプニングはあったものの、4人にボールを触らせた回数はたった1度のみ。
ブンデスナンバー1の実力をしっかりと証明!?してみせました。
まさかの6対2対決、見事完封!
ピッチイベントのラストは、こちらも希望者の即席チームとの6対2。
フィールドプレイヤーは遠藤選手ひとりのみで、ゴールキーパーをつけた変則対決が始まります。
ここまで2時間ぶっつづけでピッチでプレーする遠藤選手は汗だく。男性、女性が入り混じり、また年齢もバラバラなチームではありましたが、サッカー経験者も多く、さすがにこれは失点を喫するのでは……と思っていたのですが(遠藤選手、すみません)、なんと完封!
5試合!を通して、インターセプトを繰り返し、シュートモーションに入るとぐっと間合いを詰めてボールを奪取。
GKがシュートをセーブしたのはたったの2回と、さすがのプレーぶりでした。
この企画はいずれもテレビなどをとおして見る選手たちのプレーがいかに難しいもので、またどんな視界、感覚がピッチで生まれているのかを体感してもらいたい、というところからスタートしていました。
例えば我々も試合を観戦する際、「今、シュート打てただろ!」とか「そこ、スペースあるじゃん!」とか「パスコースあったよね」などと思うことは多いと思います。
けれど、実際のピッチに立ってみるとシュートコースがない、スペースは消されている、パスコースは意外と狭い……などまったく違った視点も見えてくる。
今回のピッチイベントで選手たちがいかにレベルの高いプレーを選択しながら行っているのかを感じ取ってもらえればこんなにうれしいことはありません。
イベントのラストはトーク&サイン会
ピッチイベントを終え、最後はともにピッチで戦った会員のみなさんとのトーク&サイン会。
トークでは日本代表キャプテン就任について、そしてW杯優勝を目指すと話した真意など盛りだくさんの内容に。
サッカー以外でも4人の子どもの父親でもある遠藤選手に「夫婦円満の秘訣」を問われるなど、サッカーだけではない遠藤選手の一面が露わに。
じゃんけん大会では先の「ゴールポスト直撃チャレンジ」でみごと「当てられない」を予想したメンバーの中から3人に、サイン入りサッカーボールが送られるなど大いに盛り上がりを見せました。
サイン会を終え、およそ4時間以上にわたるイベントを終えた遠藤選手。
「自分でハードルを上げ過ぎて疲れました」と笑い「でも、小学生は想像以上にうまかった。確かに僕みたいなタイプのイベントに来る子はガチなのかもしれない」と嬉しそうでした。
「大人の方との1対1は、(自分の中でも)スイッチが入って、きつかったですけど(笑)、感じてもらいたいことを感じてもらえたかなと思うし、充実したイベントでした。また、できたらいいなと思います」
イベントの模様は「月刊・遠藤航」内でも配信予定です。
天候にも恵まれて、本当に貴重な一日となりました。遠藤選手、小林トレーナー、そしてご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
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🔰シンクロナスの楽しみ方
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「サッカーは“最適解”の見つけ合いだと思っています。相手、システム、能力、特徴、コンディション...それらを考慮しながら、勝つために自分たちは“どれ”を選ぶのか。これはサッカーの楽しさであり醍醐味でもあります。もっと“最適解”を見つけたい、聞いてみたい。そんなコンテンツ企画です」(遠藤航)
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