トレーニングから感情を動かすことによって記憶に留められる
欧州で活躍する日本人リーダーに「日本との違い」を訊く「w/欧州指導者組 対談Live配信」 #2のアーカイブ(動画)Part.2です。
その内容を上記の動画よりご覧いただけます。
尾崎 剛士(おさき・つよし)
1983年生まれ、愛媛県出身。2006年まで筑波大学蹴球部に所属。引退後は大学院に進学、その後IT会社で勤務。2011年10月にバレンシアに渡り、アルボラヤUDで第二監督として指導者の道へ。2017年ラ・リーガ所属のレバンテUD国際部と日本人として初契約を結ぶ。
・実際のトレーニングメニュー①(ビルドアップ)
・実際のトレーニングメニュー②(前進のトレーニング)
・実際のトレーニングメニュー③(フィニッシュライン)
・尾崎さんのトレーニング理論
👇視聴時間👇
14分17秒
尾崎剛士「フラストレーションを抱えてもらうのが重要。『できねぇじゃん!』って言ってほしい」
――トレーニングメニューをご紹介頂きましたが、練習前の知識を与える座学のようなものは行われますか?
尾崎剛士(以下、尾崎):最初は(トレーニング内で)問題に当たってもらいます。何も言わないです。とにかくやってもらって、問題を抱えてほしいので。
まずはやってもらって、ルールの理解もちょっと難しいとこがあったりするので、やってもらってぼけーっと僕らは見てます。それこそ監督同士で2人で喋りながら見てます。リラックスして。問題が出てきたときに、ここで問題出てきたね、あの選手はこうなったねと。
フラストレーションを抱えてもらうのが重要で。「できねぇじゃん!」って言ってほしいんです。「どうやってやんの?」って。「どうやったらできんの?」っていうのが出てきた瞬間に「知ってるよ、俺は」って言って、「お前が問題抱えてるの知ってるぞ」って言って話をしてあげたりとか、こういうときはこうやったら上手くいくかもしれないみたいな話で、じゃあ2セッション目いきましょうと。
やってみて上手くいったら「やったね」って言って「1個解決できたね」。やっぱり感情が動かないと記憶に残らないと思っているので。感情を動かしてあげながら、それを記憶に留めてあげる。どういうときに留まるかっていうと、やっぱり感情が伴ったときっていう、この両方なので、それをちょっと刺激してあげるっていうやり方を使ってるかもしれないですね。
岡崎慎司(以下、岡崎):いろんなタイプの性格の子がスペインにはいると思うんですけど。自己主張が激しい国だとしても、シャイで言わずに何とか自分で解決しようとする選手もいれば、そこで監督に聞いちゃう選手もいると思うんですけど。それは人それぞれに合わせて指導者は答えを教えてあげる感じなんですか?
尾崎:その方がいいんですけど、なかなか難しいと思います。実際僕も多分そこまでできてないです。やっぱり困ったときに聞かれたら答えちゃうし、でも考えろって言いたいですけど、でも解決してあげた方がいいんだろうなとか思ったりして、やっぱそこはまだまだ僕も経験の足りないところで。
多分、本当は岡崎さんが言われた通りに、選手によって、性格によって、使い方分けたりとか、伝え方変えたりとかっていうのは多分必要だとは思います。でも現場の感覚として、なかなか難しいかなっていうのも実際ちょっとあって。なかなかそこがまだまだ僕も上手くいけてないなというのはあったりして、子どもたちと喧嘩したりもします(笑)。
岡崎:スペイン全体の考え方としては、それはどうすることが最良って言われるっていうのあるんですか?
尾崎:多分個人に合わせてフィードバックするのが最良だと思います。
ーー岡崎さんが経験してきたトレーニングと違う点はありますか?
岡崎:いや、やっぱり同じだなと思うのは、趣旨がちゃんとあるというのは大前提というか、サイドのビルドアップというか、どうサイドバックの選手が〜とかっていうのも、そこまで考えて多分指導者の方作ってるんだとは思ってたけど。
やっぱりそこまでの考えがあって作ってたんだっていうのが今尾崎さんから聞いて、結構僕が、今のジローナの監督のミチェル・サンチェスはかなりそういう練習が多かったんで、多分あそこもそこまでやってたんだなと。
尾崎:プロになるとこれがもっと固定されると思います。動き方が。例えばさっきのビルドアップも、相手がこう来るからこうしなさいっていうところにプロはなってくるのかなと。よりその形式が強くなってくるとは思います。僕らはまだ育成なので。
岡崎:やってますもんね。はい。
尾崎:というところになってくるとは思いますね。さすがだな、いいな、プロの世界見てみたいな。
岡崎:今ユースを見られてるんですよね?
尾崎:ユースです、はい。
岡崎:ジュニアユースとか小学生でも、そういった練習はするんですかね?ポゼッションとかの。
尾崎:どっちかっていうとオープンに、最初オープンにやってそこからスペシャルなトレーニングに移行するっていうようなイメージです。要は、最初に僕ら原則って言われることがあるんですけど、例えば、僕が習ったときには16の攻撃原則と14の守備原則というのがあって、その原則をどう組み合わせてトレーニングするか。
最初は原則、ピュアな原則1~2個の組み合わせをトレーニングして、最後の試合形式だと3つの組み合わせの中でトレーニングをしていきます。最初はちょっとオープンな、ちょっと2つか1つの原則のトレーニングをするみたいな。するとちょっとオープンになるんです。
岡崎:例えば、その原則って何があります?
尾崎:攻撃だとサイドチェンジだったりとかですね。サイドチェンジ、前進、深さを取るの話だったりとか、本当単純なことなんですよ。
岡崎:はい。
尾崎:スペースを埋めるとか、リズムの変化とか。
岡崎:そこを組み合わせるってことですか?
尾崎:そうです。サイドチェンジと前進のところ組み合わせるっていうときに、サイドチェンジのトレーニングをまずしておいて、その次に、ちょっとそうなるとオープンじゃないですか?オープンでゴールを目指すっていうことはあまり少なくなるんですけど。
それに前進を組み合わせて次のトレーニングを作るみたいなのと、サイドチェンジしたあと前進してゴールがあるみたいなトレーニングとか。そうやってちょっと複雑性が増していく、トレーニングの発展の仕方みたいになってくると思います。……すべての内容は、アーカイブよりご覧ください👀✅
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