育成指導のエキスパートが、子どもを指導する際に大事にしている言葉とは?
今回の「dialogue w/ 欧州指導者組」は、前回に引き続き、ドイツサッカー協会公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者の中野吉之伴氏が登場。
ドイツで20年以上も育成年代の指導現場に立っている中野氏が、実際に日本人指導者向けに行なったトレーニングメニューを解説する。
紹介するメニューは、サッカーのトレーニングで基本中の基本とされている「ロンド」。ロンドとは、マーカーなどを使って作ったグリッド内にオフェンスとディフェンスが立ち、ボールを取られないようにパスを回す練習のことだが、中野氏曰く、パスやトラップのボールコントロール技術、状況判断など、サッカーに求められるあらゆる要素が詰まっているという。
「このような既存のトレーニングに、一つ二つ工夫を加えることが大切です。より試合で活かせるような戦術的なもの、ポジショニング的なもの、認知的なものを足すなど、アレンジしていけるかが大事」(中野氏)
ロンドのトレーニングもあるアレンジを加えることで、「固定型の4対2」から「移動型の4対2」へと変化するという。その違いはどこにあって、具体的にはどのようにアレンジしているのだろうか。
また、中野氏は育成年代を指導するうえで最も大事にしているのが、恩人・ベルント・シュトゥーバー氏(ドイツ協会A級ライセンスの育成インストラクター元主任)の言葉だ。彼はトーマス・ミュラー、トニー・クロース、メスト・エジルなど多数のドイツ代表選手の育成に関わってきた人だが、その言葉とは何か?(全3回の2回目)。
中野 吉之伴(なかの・きちのすけ)
サッカー育成指導者・サッカーライター。2001年4月に育成指導者のエキスパートを目指して渡独。地元に密着したドイツサッカーの現場で様々なカテゴリー・年代の監督を歴任。09年にA級ライセンスを獲得。ブンデスリーガのSCフライブルクで研修。現在はフライブルクの街クラブであるSVホッホドルフU19監督、U13監督として指導を続ける。また、ライターとして現場経験を生かした論理的分析をベースに、ドイツサッカーを中心に育成からグラスルーツ、プロまで様々な記事を手掛ける。WEBマガジン「フッスバルラボ」、オンラインサロン「きちゼミ」をスタート。著書「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」は2018年サッカー本大賞優秀作品賞を受賞。
・日本人指導者講習会で実際に行なったトレーニングメニュー公開!
・中野さんが考えるジュニア向けトレーニング論
・試合で活かすための「戦術的・ポジショニング的・認知的」アレンジ力
・ポイントは「固定的」ではなく「流動的」に指導すること
・恩師ベルント・シュトゥーバーの教え
・育成世代の移籍問題
・ドイツと日本が抱える育成世代の問題
👇視聴時間👇
17分07秒
アーカイブ(動画)のPart.2の今回も在独23年、長年ドイツの育成年代に携わられ現在はフライブルクのSVホッホドルフで指導されている中野吉之伴さんが登場! 2大会連続グループリーグ敗退と悩める強豪国ドイツの問題点やドイツの街クラブでの育成スタイルを伺いながら、日本サッカーがヨーロッパサッカーに追いつくために必要なサッカーのさまざまな”違い”について考えていきます。
<過去回はこちら>
#1 Dialogue w/山下喬(FCバサラマインツ/ドイツ)
#2 Dialogue w/尾崎剛士(レバンテUD国際部/スペイン)
#3 Dialogue w/宮沢悠生(FCリーフェリング/オーストリア)
#4 Dialogue w/中野吉之伴(SVホッホドルフ/ドイツ) &more!
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