若き日のボブ・バックランドと対戦(写真は日本での試合)

いまだに根強いジャンボ鶴田最強説を検証する連載「新版・永遠の最強王者 ジャンボ鶴田」。今回は鶴田のデビュー2年目を追う。1年目に大活躍したルーキーが次の年には同じような活躍が出来なくなる“2年目のジンクス”。若手を悩ませるこの時期が鶴田にはなかった。多くのアスリートが伸び悩む2年目、ジャンボ鶴田が残した驚異の勝率とは。

若き日のバックランドと1勝1敗!

 3月23日のオレゴン州ポートランドからスタートしたジャンボ鶴田の北米主要テリトリーを回るツアーの終盤は再び古巣の『ウェスタン・ステーツ・スポーツ・プロモーション』(通称アマリロ・テリトリー)へ。

 ここでの収穫は同世代のボブ・バックランドと出会ったことだ。

 初対決は4月6日昼のアマリロでのTVマッチで鶴田が勝利。

 その後、鶴田はテキサス州ヘレフォードに移動して、夜はジェリー・コザックと組んでキラー・カール・コックス&ビーストに勝利。

 7日はニューメキシコ州アルバカーキでコックスに勝った。

 修行時代には一度も勝てなかったコックスにタッグとシングルで続けて勝つまでのポジションに来たということである。

 アマリロ・テリトリー最終日の8日はテキサス州エルパソでバックランドとの再戦。

 27分27秒の激闘の末に鶴田はバックランドにピンフォール負けしてアマリロのリベンジをされてしまった。

 当時、ウェスタン・ステーツ・ヘビー級王者として売り出し中だったバックランドにとってはアマリロで負けた試合がテレビで放送されたことにより、エルパソでの再戦が注目された。そこで勝ったことが大きかった。

 鶴田はバックランドのプッシュに一役買ったことになる。

 ノースダコタ州立大学時代にNCAAディビジョンⅡの190ポンド級で1位になったレスリングの実力をバックボーンにしていたバックランドにとって、オリンピック・レスラーの鶴田を倒したというのは箔付けになったはずだ。...