今回のdialoguew/「日本サッカーの論点」は東大ア式蹴球部テクニカルユニットのアナリストとの対談前編。
チームへの貢献や自分が点を取るために必要なことを自分で考え模索し続け、日本代表得点ランキング歴代3位、ブンデスリーガで2シーズン連続の2桁得点、レスターでのプレミアリーグ制覇を成し遂げた岡崎慎司。
選手としてはデータや分析に囚われすぎないように意識していたという岡崎さんも、ドイツ6部「FC Basara Mainz」の監督を務める中で、客観的なデータの力が指導の一助になる可能性を感じはじめたという。
ただデータや分析が万能であるという見方には慎重にならなければならない。データに可能性を感じながら、一方で出来ることと出来ないことを適切に理解する必要がある。
そこで今回は、東大ア式蹴球部テクニカルユニットのアナリスト横田義典さんをお呼びし、データが出来ること・出来ないこと、秘めたる可能性、具体的な分析ツールの紹介と運用方法、費用等についてお話しいただき、まだまだ発展途上にある日本サッカーの「データ分析」の輪郭を掴んでいく。
岡崎慎司が「データ分析」のリアルについて学び、日本サッカー発展のヒントを探る特別講義!(全2回の1回目)
・データアナリストの仕事とは?
・最新のデータ分析事情――種類・費用など
・データは何のために使われるのか?
・選手が求めるデータ、チーム(監督)が求めるデータ
(後編)
・実際に使われている分析データを大公開!
・データ活用による成功事例…マンC、ジローナetc
・データの可能性と今後の課題
・東大アナリストが岡崎慎司に聞きたいこと
テーマ1:データアナリストの仕事とは?
岡崎慎司
「‟走ってへんやん”って言っても選手は走ってる感覚でいたり、(パスコース)を切れてるでいるとか…選手を納得させるという意味では、データや数字の力が必要やなと思う」
テーマ2:最新のデータ分析事情(種類・費用など)
岡崎慎司
「自分自身は(データ)を参考程度に考えていた。ただそれだけに囚われてはいけないという思いもありながらも、全体をマネジメントする立場になったときに、データをこういうふうに使ってたんだなって」
横田義典
「(分析ツールを利用して)他の選手はこれぐらい走ってるけど、君はこれぐらいしか走ってないよ…だから頑張ろうという説得が出来る」
テーマ3:データは何のために使われるのか?
ーー指導者と選手でデータに対するイメージが違うと思うんですが、そのあたりの感覚についてお話いただけますか?
横田義典
「データは何のために使われるのかを考えなければいけないと思いまして、指導者は○○。選手は○○」
テーマ4:選手が求めるデータ・チーム(監督)が求めるデータ
横田義典
「データの可能性をあまりにも小さいものと考える人もいれば、大きすぎるものと捉える人もいるというのが前提としてあるので…意思決定の材料にはなるけど、選択を100%正しくするものではないということを伝えることがスタート」
岡崎慎司
「選手としてやってた時、頭の中でいろんなことを考えているんですけど、90分間でどれだけシンプルにやるべきことを明確にすることが大事だった。それは監督も一緒で、まずどれだけ多くの情報を集められるかっていうのが大事で、試合でどれを出すのかのチョイスだと思う」
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