「全身リトミック」で表現力を養う
リトミックとは音楽に合わせて体を動かすことで表現力や感性などを養う音楽教育だが、それを独自にカスタマイズした「全身リトミック」は、歌いながら体を動かしたり、表情を変えたりする旭川明成高校吹奏楽部ならではの練習法である。
当初は、合唱の表現を養うところから始まった。
佐藤淳先生が着任した2022年、旭川明成のために新たに作られた合唱曲《キセキ》を練習しているとき、淳先生は考えた。練習を重ねると音程などは良くなっていくものの、部員たちの表情や表現はなかなか良くならない。
「結局、大切なのは『何を想うか』だ」
そこで、淳先生は部員たちに全身を使って音楽を表現することを求めた。手を動かすこと、上下左右に目線を変えること、歩き出すこと、笑うこと……。
すると、《キセキ》はいきいきした合唱へと変わっていった。
淳先生はその「全身リトミック」を吹奏楽コンクールの課題曲・自由曲の練習にも取り入れた。
2022年度の全道大会初出場、2023年度の全道大会初金賞と全日本アンサンブルコンテスト初出場、2024年度の2年連続の全道大会金賞と全日本アンサンブルコンテスト出場……という旭川明成の躍進を支えたものは「部活ノート」やハチマキ以外に、「全身リトミック」もあったのだ。
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