夫婦カウンセラーとしてこれまで2000組以上の夫婦をサポートし、著書『夫は、妻は、わかってない。夫婦リカバリーの作法』でも注目を集める安東秀海先生が、読者の皆様から寄せられた夫婦関係のお悩みにお答えする「夫婦リカバリー相談室」。

 シリーズ「夫婦リカバリーの法則」では、夫婦の問題を解決に導くための様々なアプローチを安東先生が紹介、解説していきます。今回は「感情」の問題へのアプローチ方法について考えます。

「夫婦リカバリーの法則」初回から読む

「夫が職場の同僚と不倫をしていました」「妻の態度が急に冷たくなって」「長年、夫にウソをつかれていたことを知ってしまいました」夫婦のリカバリー...続きを読む
(写真:koumaru / iStock / Getty Images Plus)

感情の『わだかまり』を放置しない

 長期間にわたり密接に関わる夫婦関係では、問題が複雑に絡み合い、解決の糸口が見えにくくなることがあります。

 これまでの「夫婦リカバリーの法則」では、問題の所在をコミュニケーション、価値観の違いに分類し、それぞれへのアプローチについてお話しました。

 今回はさらに考察を深め、「感情」の問題との向き合い方を考えていきたいと思います。

感情の問題とは?

 「感情」の問題というと、ケンカでの感情的な衝突をイメージする方が多いでしょう。実際にカウンセリングにいらっしゃるご夫婦でも、子どもの前での怒鳴り合いなど、激しい口論をきっかけに問題意識が高まったというケースは少なくありません。

 感情的な衝突は、感情の問題が表面化する一つの形ですが、相手を無視したり、関心を示さない「冷えた関係」もまた、感情の問題の表れと言えます。...