毎月行っている「データの裏側編集部会議」。どんなデータを検証するのか、何を聞くのか? メディアや政府、調査会社などで発表されるデータをちょっと違った角度から見てみると、たくさんの疑問が浮かんできます。
【議事録】
・・ピックアップしたデータ・・
・日本の報道の自由度ランキング
※ジャニーズ事務所の問題にまつわるメディアの意識
・「1.26」過去最低の出生率
※少子化とリンクする日本の様々な影響
・Z世代の53%がマッチング出会いを肯定
※みんなZ世代の反応を気にしている?
・生活に溢れるランキングとNo1表示
※「人気No1」「満足度No1」…誰が決めている?
【編集会議のキーワード解説】
「放送法4条」、「政治的公平」……ってなんだ?
毎年国境なき記者団が発表している「報道の自由度ランキング」、2023年の日本のランキングは68位でした。
この順位に対して、今回の編集会議では「ジャニーズ問題」を取り上げ、この問題まつわる日本のメディアの報道の仕方に対して、編集長・長野智子さんは放送法4条にも関わると述べました。
長野 この問題に関しては放送法4条の問題で、要するに、一つのテレビ局があったら、個別の番組は問わないで、公平性等は全体として見ますというのがあって…
放送法第4条 昭和25年5月2日 法律第132号(令和4年10月1日施行)
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
その中の二に掲げている「政治的公平」の解釈について、2015年当時総務相であった高市早苗氏は「一つの番組で判断し、場合によっては電波を停止する」と発言。
つまり、今まではテレビ局の数ある番組全体で政治的公平性を保っていたものが、一つの番組ごとに限定されてしまう。それでは「ジャニーズ問題」といったドキュメンタリーのような調査報道が放送しづらくなってしまいます。
このことをきっかけに、長野さんは当時からテレビ局には目に見えぬ圧力があったと述べます。
このようなメディア側からの視点でしかわからない事情は、メディアを見る側にはわかりません。報道の自由度ランキングでの順位は、果たしてメディア側の意識に影響することはあるのでしょうか。
番組紹介
ジャーナリストの長野智子さんを編集長に、重要なニュースやテーマにまつわる「データ」をピックアップ(編集会議)。その数字が示していることについて会議・取材し、まとめてていきます。「データ」の背景を紐解きながら、取材過程を【音声・動画・記事】で配信。その読み方を楽しく、わかりやすく学んでいくコンテンツです。
前回の【データの裏側】は「少子化データのホント」
→https://www.synchronous.jp/articles/-/904...