【内野】課題を一本化しないと自己満足や理想の押し付け合いになる
興国高校サッカー部GMに聞く「日本が抱える育成の本質的な課題」前編
ゲスト:内野智章さん(興国高校サッカー部GM)
全3回 | 内容 |
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前編 | 「なぜ日本の育成はつながっていないのか?」←今回 |
後編 | 「日本サッカーしか知らない指導者を喝破せよ」 |
特別編 | 「戦術かパーソナリティか、選手が自立するにはどっちが大事?」 |
・興国高校・宮原勇太選手が「高校→海外行き」を選んだ背景
・日本サッカーの育成がうまくいっていない理由
・興国高校が技術優先の指導をするようになったキッカケとは?
・日本人の場合はどの程度型をはめてどの程度自由を与えるべきか
・なんでも言うことを聞かないスペイン人、なんでも言うことを聞く日本人
・プライオリティの優先順位は「育成」
・育成年代ではいつから戦術を教えるべきか
・日本の育成界がつながっていないのは……
前編・視聴時間
46分13秒
今回の「Dialogue w/」は、「関西のバルセロナ」と呼ばれる大阪・興国高校サッカー部のGMを務める内野智章氏に「日本サッカー育成現場のリアル」を聞く。
監督就任当初、12人の部員しかいなかったチームを、全国屈指の強豪校へと育て上げ、いまや毎年のようにプロ選手を輩出する。そんな育成のプロフェッショナルが見る「日本が抱える育成の本質的な課題」とは?
「Dialogue w/欧州指導者」セカンドシーズンに向け、岡崎慎司選手とともに今一度、日本サッカーの課題を整理して考えていきます(全2回の1回目)。
【岡崎慎司】欧州で活躍する日本人指導者が指摘する「欧州にあって日本にないもの」「dialoguew/欧州指導者組」1年目まとめ(前編)
【岡崎慎司】欧州日本人指導者が語る「インテンシティが欠かせない理由」
「dialoguew/欧州指導者組」1年目まとめ(後編)
日々の優先順位を、育成・技術に持っていく要因は「出口」
岡崎慎司(以下、岡崎) 内野さん、初めまして岡崎です。
内野智章(以下、内野) 初めまして内野です。
岡崎 ちょうどリアルタイムに(興国高校3年・宮原勇太選手が)ポーランドに決まったじゃないですか。
内野 そうなんです。
岡崎 あそこは(ルーカス・)ポドルスキが絡んでいるんですか?
内野 彼は早い段階である代理人から話をしてもらっていて。その関係もあってJリーグのほうに決まりそうだったんですけど、急転直下、ポドルスキさんが「日本にはヴィッセル神戸だけでなく、すごいいい若手がたくさんいるのに、全然Jリーグで試合に出られない、あれでは伸びない。いい選手が本当にいるからもったいない」のようなことを、その代理人の方に言ってきたみたいです。
そんななか、10代の若手を探しているという話があって。たまたま今回、宮原勇太が2~3月の2ヶ月ぐらいヨーロッパに練習参加していた。自分の知っている代理人が面倒を見ているといった話から(ポーランドの)クラブが興味を持って。
だから結構急でしたね。
岡崎 そうなんですね。
内野 ええ。日本のJクラブに行くだろうと思ってたところ、...