【育成課題】岡崎慎司「コイツ、ふつふつ感を持っているな。そこを指導者は見逃してはいけない」。その理由とは？

【岡崎慎司】「求められるのはその先のプレー。日本は組織が先。そのやり方は間違っていない」

　今回のdialogue w/は、4月の国際サッカー大会『WORLD FOOTBALL FESTIVAL U-12』に参戦した世界の強豪クラブのU12指導者を直撃！現在、日本と世界が抱える「育成課題」について徹底議論する。

『WORLD FOOTBALL FESTIVAL U-12』とは？

４月３日〜６日、日立柏総合グラウンドにて国連UNASDG IGO主催の『WORLD FOOTBALL FESTIVAL U12』が開催された。記念すべき第１回目大会に参加したのは以下、世界6か国10クラブだ。

参加チーム：FCサントス(ブラジル) 、VVVフェンロー(オランダ) 、セルタ・デ・ビーゴ(スペイン) 、SLベンフィカ(ポルトガル)、BAYI FC(中国) ・柏レイソル(日本) ・川崎フロンターレ(日本) 、コンサドーレ札幌（日本）、横浜F・マリノス（日本）、スポーカル六本木SC(日本)

大会は、4月3日と4月４日に2グループ×5クラブによる予選リーグを経て、最終日の4月６日に順位決定戦が行なわれた。

優勝したのは、ブラジルの名門FCサントス。サントスには、史上最年少となる8歳でナイキと契約したカウアン・バジーレ選手が在籍。ベンフィカとの決勝戦でも華麗なテクニックとアイデアあふれるプレーで逆転勝利（⚪︎2-1）に貢献した。

なお、最終順位は以下のとおり。
優勝：FCサントス（ブラジル）
準優勝：ベンフィカ（ポルトガル）
３位：川崎フロンターレ（日本）
４位：柏レイソル（日本）

※大会公式HPではアーカイブ動画を配信中
https://football-fes.org/

　取材に協力していただいたのは、優勝したブラジルのFCサントス、ベスト４に進出した川崎フロンターレ、柏レイソルの監督。いずれも、育成に定評のあるクラブとして知られている。

　前編（【育成課題】FCサントス、川崎フロンターレ、柏レイソル…U12指導者に聞く「良い選手の基準」とは？​）では良い選手の基準や、育成で大事にしていること、育成から見た代表チームの印象（課題）など、上記３人の監督インタビューをお届けした。

　後編の今回は、彼らのインタビュー内容を見た岡崎慎司選手が独自の「育成論」を語る。

　開口一番、岡崎慎司は自身の少年時代を振り返りながら、「今は、このような世界大会を身近で経験できているのが羨ましい」と率直な感想を述べた。

　U12指導者が指摘した育成課題について、岡崎は「日本の場合、組織のなかで、選手が何ができるか？ブラジルの場合は選手が何を起こすのか？を見ている」と指摘する。一方で、「日本は組織が先。求められるのはその先のプレー。そのやり方は間違っていない」と説明する。

　また、FCサントスのフェリペ・メンデス監督の「サントスにおける良い選手の基準は、競争意識の高い選手」と話したことを受けて、岡崎は「僕もメンタリティの部分だったからサントスの意見に近い」と続ける。

　そして、「育成で大事にしたいこと」というテーマに話がおよんだ際、岡崎が話した次の言葉がとても興味深い。

「コイツ、ふつふつ感を持っているなーー。そこを指導者は見逃してはいけない」（岡崎慎司）

　なぜ育成年代では「ふつふつ感」を持っていることが大事なのか。そしてそれが意味するものとはーー。今シーズン限りで現役を引退し、指導者としての道を歩む岡崎慎司の育成論。ぜひご覧ください（全２回の2回目）。

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