【連載#11】ワールドカップ出場枠が拡大された最終予選、日本代表はどう戦うべき?

 今回の「ミムラユウスケの日本代表ニュース解説」は、北中米ワールドカップへの出場権をかけた最終局面、9月5日より始まるアジア最終予選を展望する。

ワールドカップアジア最終予選について語る、ミムラユウスケ氏
【テーマ】
「4.5→8.5」。出場枠が拡大されたワールドカップ最終予選は「死の組?」、それより見逃せない「負け越しデータ」
 
【INDEX】
・W杯最終予選の組み合わせが決定
・出場枠が拡大されたワールドカップ
・"中東アウェイ"での勝利がカギ
・"中東アウェイ"を苦手としてきた日本代表の歴史
・南米サポーターが押し掛けるだろう、ワールドカップ26を見据えて
・出場権獲得だけでなく「アウェイで活躍できる選手」の発掘
動画時間(16分50秒)

 テーマは「4.5→8.5。出場枠が拡大されたワールドカップ最終予選は『死の組?』、見逃せない『負け越しデータ』」について。

 6月27日、マレーシア・クアラルンプールにてFIFAワールドカップ26アジア最終予選(3次予選)の抽選会が行われ、SAMURAI BLUE(サッカー日本代表)はグループCに決定した。

 グループCは、日本(17位)、オーストラリア(23位)、サウジアラビア(56位)、バーレーン(81位)、中国(88位)、インドネシア(134位)が入った。
(※FIFAランキングはいずれも6月20日のもの。以下同)

 ワールドカップ常連国のオーストラリア代表、サウジアラビア代表が同居するグループCは"死の組"なのか?

 何より「W杯優勝」を掲げる「森保ジャパン」にとって絶対に払しょくしなければならない「歴代日本代表」のデータとは? その結果がもたらすワールドカップ26への影響は——? 徹底解説!

■ワールドカップアジア最終予選・中東アウェイの戦績1997年〜

・1998 FIFAワールドカップ・アジア最終予選B組
(出場3.5枠、はじめてのホーム&アウェイ方式で開催。日本は2位となりAFCプレーオフに回り、ジョホールバルでイランを倒してはじめてのW杯出場を決めた)
〈グループB最終順位〉
1.韓国(グループ6・1位、前回大会出場シード国) ※W杯出場権獲得
2.日本(グループ4・1位) ※AFCプレーオフでグループA2位のイランと対戦
3.アラブ首長国連邦(グループ3・1位)
4.ウズベキスタン(グループ5・1位)
5.カザフスタン(グループ9・1位)
〈中東アウェイでの日本代表の試合結果〉
1997年9月19日 アラブ首長国連邦(UAE)vs日本 0-0 △

・2006 FIFAワールドカップ・アジア2次予選(最終予選)グループB
(出場4.5枠で、日韓大会となった2.5枠から増加。98年大会と同じくホーム&アウェイ方式で開催。日本は1次予選を全勝で勝ちあがり、最終予選も5勝1敗で出場権を獲得。)
〈グループB最終順位〉
1.日本(グループ3・1位)
2.イラン(グループ1・1位)
3.バーレーン(グループ6・1位)
4.北朝鮮(グループ5・1位)
〈中東アウェイでの日本代表の試合結果〉
2005年3月25日 イランvs日本 2-1 ●
2005年6月3日   バーレーンvs日本 0-1 ◯


・2010 FIFAワールドカップ・アジア4次予選(最終予選)グループA
(出場権4.5枠を維持、オーストラリアが転籍。日本は3次予選から出場し、苦戦を強いられながら最終予選2位で出場権を獲得)
〈グループA最終順位〉
1.オーストラリア(ポット1)
2.日本(ポット2)
3.バーレーン(ポット3)
4.カタール(ポット4)
5.ウズベキスタン(ポット4)
〈中東アウェイでの日本代表の試合結果〉
2008年9月6日 バーレーンvs日本 2-3 ◯
2008年11月19日 カタールvs日本 0-3 ◯


・2014 FIFAワールドカップ・アジア4次予選(最終予選)グループB
(出場権4.5枠。日本は3次予選から出場、北朝鮮、ウズベキスタンに敗れるなど2位で最終予選へ。最終的には1位で出場権を獲得)
〈グループB最終順位〉
1. 日本(ポット2)
2.オーストラリア(ポット1)
3.ヨルダン(ポット4)
4.オマーン(ポット5)
5.イラク(ポット3)
〈中東アウェイでの日本代表の試合結果〉
2012年11月14日 オマーンvs日本 1-2 ◯
2013年3月26日 ヨルダンvs日本 2-1 ●
2013年6月11日 イラクvs日本 0-1 ◯


・2018 FIFAワールドカップ・アジア3次予選(最終予選)グループB
(出場権4.5枠。オーストラリアが転籍。2次予選を7勝1分と圧倒し最終予選に臨むもUAEに2敗を喫するなど苦戦。サウジとオーストラリアがつぶし合ったことで最終予選1位で出場権を獲得)
〈グループB最終順位〉
1.日本(ポット2)
2.サウジアラビア(ポット3)
3.オーストラリア(ポット1)
4.アラブ首長国連邦(ポット4)
5.イラク(ポット5)
6.タイ(ポット6)
〈中東アウェイでの日本代表の試合結果〉
2017年3月23日 アラブ首長国連邦vs日本 0-2 ◯
2017年6月13日 イラクvs日本 1-1 △
2017年9月5日 サウジアラビアvs日本 1-0 ●


・2022 FIFAワールドカップ・アジア3次予選(最終予選)グループB
(出場権4.5枠。ホーム・オマーンとの初戦に敗れ、以降、1勝2敗と最悪のスタートを切った最終予選。4-3-3のシステム変更で状況は好転、2位で出場権を獲得した)
〈グループB最終順位〉
1.サウジアラビア(ポット3)
2.日本(ポット1)
3.オーストラリア(ポット2)
4.オマーン(ポット5)
5.中国(ポット4)
6.ベトナム(ポット6)
〈中東アウェイでの日本代表の試合結果〉
2021年10月7日 サウジアラビアvs日本 1-0 ●
2021年11月16日 オマーンvs日本 0-1 ◯
FIFAワールドカップ26 アジア最終予選(3次予選)日本代表試合日程

・グループC(青文字が中東アウェイ)
2024年9月5日     日本vs中国
           9月10日   バーレーンvs日本
           10月10日 サウジアラビアvs日本

           10月15日 日本vsオーストラリア
           11月14日 インドネシアvs日本
           11月19日 中国vs日本
2025年3月20日   日本vsバーレーン
           3月25日   日本vsサウジアラビア
           6月5日     オーストラリアvs日本
           6月10日   日本vsインドネシア

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