ロシアのウクライナ侵略が続いている。渡部陽一が見た「戦場」。今回は、2022年2度目のウクライナ取材での写真。
5月に訪れたときからどう変化したのか。見えてきた「ロシアの戦い方」。首都のキーウで渡部氏が撮った「ウクライナ戦争」。
音声版としてその一部を先取り配信する(動画版は7月23日配信予定)。
ウクライナがキーウに展示する「ロシアの兵器」
こんにちは戦場カメラマンの渡部陽一です。
ウクライナ情勢について触れていきたいと思います。2月24日のウクライナへのロシア軍事侵攻が始まってから繰り返しウクライナの現場で取材を続けてきています。
特に首都キーウ郊外の大量虐殺、ジェノサイドが発生したイルピン、ブチャ、ホストメル……この地域に侵攻したロシア軍がどのような兵力を使って虐殺に関与したのかその実態が取材の中で判明してきています。
冒頭の写真をご覧ください。ロシア軍の戦車が並んでいます。
最新鋭の戦闘兵器とは程遠い第2次世界大戦、ソ連時代の戦車がそのまま今回のウクライナ軍事侵攻に使われていたことを、現実の物証として直接確認してきました。
こうした旧式の戦車、兵力であってもやはり一般市民に対する攻撃の態勢というのは激しいものがあり、かつてご報告させていただいた(5~11/1000 【動画解説】戦場のホント~2022年5月・ウクライナ/「動くものは撃つ」戦場・ウクライナで見たロシアの残虐性)一般住居の破壊された現状、さらには軍事施設、空港、道路、橋……、攻撃の「兵力としての強さ」は、ひとつの町をつぶしていく。
かなり容易な状況で一つひとつ首都キーウに迫ってきたことも現場の傷跡から判明しました。
(そしてそこで)残された兵器をウクライナ国軍が回収、内容を分析し、その兵力を国民に発表しました。
この場所がウクライナの首都キーウの中心部にある広場です。大きな教会があり、市民が自由に行き来をし、休日になると、かなり多くの方でにぎわうところなんです。
広場の目の前には世界的に有名な高級ホテルが構えてある一方で、観光スポットしての中心部、その広場に多数の戦車や装甲車がびっしり並べられ、現地の国民だけでなく外国人も手に触れたり、戦車の中を確認することができたんです。
「戦場」の真実をどのくらいの人が理解しているか。戦場にある悲惨な現実。犠牲になるのは子どもたち。一方で、戦場にいる人々は「私たちと同じ」日常を持っている。これも「戦場の本当の姿」――。戦場カメラマン渡部陽一が撮ってきた写真の中から、1000枚をピックアップ。写真とともにその背景を知る。「戦場の真実」と「世界の本当」を学ぶ。
軍用の帽子、スカーフ、ブーツであったり手袋であったりが、ロシア軍が支給した装備が徐々に回収されたことで判明してきました。...