世界ではどんな争いが存在していたのか
渡部陽一です。
10月7日、武装組織「ハマス」が、イスラエルに対して大規模な攻撃を開始してから1か月が経とうとしています。
2022年2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻してから、戦争は長期化し、今も続いています。
それ以外にも、世界では報道されていない戦争が起きている。
戦場カメラマンとしておよそ130の国と地域を訪れ、さまざまな街や人、いろいろな形の〝戦場の本当の姿〟を撮ってきました。
イスラエルとハマスの戦闘が連日報じられていますが、 中東の盟主と言われているのがサウジアラビアです。
いまから5年前の2018年11月、私はサウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏殺害事件を取材するため、トルコに向かっていました。
今回はその取材当時のトルコ最大都市イスタンブールで撮影した写真を紹介します。
世界でどんな「争い」が存在していたのか、争いの背景や地域の魅力を〝写真〟でお伝えいたします。
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トルコジャーナリスト殺害事件の背景
2018年11月、サウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏がトルコ最大都市イスタンブールのサウジアラビア領事館で殺害された事件が起きました。
カショギ氏はサウジアラビアのムハンマド皇太子の強権体制を繰り返し批判。
この事件をきっかけに当時のサウジアラビアと欧米各国の関係が急激に悪化しました。
ムハンマド皇太子は自身に批判的であったカショギ氏の暗殺事件の関与を否定し、最終的に罰せられず。
トルコ政府が抱えるクルド独立問題や隣国シリアでの越境攻撃による各国からの外交圧力を回避するために、トルコ〝全方位外交〟が事件をうやむやにさせたと言われています。
中東のパワーバランスが各国の思惑により引きずられ、カショギ氏のサウジアラビア強権体制批判は押さえ込まれてしまった事件となりました。
・サウジアラビア批判を繰り返したジャマル・カショギ氏が殺害されたとされるサウジアラビア領事館。[写真3枚]
・世界的物価高や混乱する国内情勢が絡み合い、トルコ経済基盤が脆弱化した当時の街の様子。[写真6枚]
・アジアとヨーロッパの架け橋であるトルコ。交易の要所として世界各国の文化が共生している場所。[写真7枚]
サウジアラビア批判を繰り返したジャマル・カショギ氏が殺害されたとされるサウジアラビア領事館。(写真3枚)
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