渡部陽一1000枚の戦場 18~22/1000・ウクライナの畑
【内容】
渡部陽一氏が撮ってきた膨大な写真の中から1000枚をピックアップし、「戦場のホント」を動画とテキストで解説する。
第五回は「18/1000~22/1000枚目」。今年3度のウクライナ取材。そこで見た「戦場」以外の戦いとなるキーポイント「食糧危機」。
ウクライナ、ロシアは合わせて約30%の小麦を世界に輸出している。広がる畑、それを貯蔵するサイロ……。その写真から見えてくる、「ウクライナ戦争」の現在とは?
前回、解説した「トルコ」の関係にはじまり、地中海の攻防が世界に与える影響。そして、東部が狙うロシアによる「ロシア化」。キーワードとなる「スラビャンスク」とは?
#19/1000
世界の交易の要衝として君臨するトルコ
こんにちは。戦場カメラマンの渡部陽一です。激動のウクライナ情勢。
ゼレンスキー大統領がウクライナ東部ドンバス地方でロシア軍の攻撃が拡大していることを受け、ドネツク州の住民の避難勧告を発令しました。
ロシアのプーチン大統領はウクライナ東部島南部のマリウポリ、そして南部のクリミア、この黒海沿岸部に沿って、ロシアの軍事防衛回路を構築すること。
その目的をほぼ完成させるステージに入ってきています。
反面、首都キーウ。ウクライナの中部西部一帯にも、いまだロシア側が、ウクライナの全域に対する攻撃体制は解除していないというメッセージを伝えていて、実際ミサイル攻撃が単発的に続いている。
世界の「穀物」を支えるロシアとウクライナ
ロシア軍が兵糧攻め、ウクライナの産業である小麦やひまわり油を遮断することにより、ウクライナに対する揺さぶりだけではなく、ウクライナの穀物に、支えられてきた世界各国の食糧危機――。
世界各国で問題となっています。日本を含めて、生きるための食べ物が手に入らない。特に、中東、アフリカです。
ウクライナ、ロシアから輸出される、特に小麦は世界全体の総輸出量、その約10%を担っているのが、ウクライナ、約20%を担っているのがロシアの穀物産業。
ウクライナロシアで、全世界の総輸出量の3割を占めている。
その3割に依存している地域が、中東、アフリカ、この一帯がウクライナロシアの輸出産業が遮断されることによって、その日食べていく食べ物がなくなっていく。
例えばエジプトは約86%、ウクライナ、ロシアの小麦産業に依存してきました。パンが主食のエジプト、そのパンを食べることができない。
貧困にぶつかっていく、エジプトの国民の中でパンの価格が高騰することによって国民の不満が高まり、そこから政府に対する突き上げ、クーデター、そして国家そのものが、壊れていく。
こうしたクーデターの連鎖というものは、食糧危機の中から繋がっていく、そんな歴史は繰り返されてきました。
他にも、中東方面のイラク、シリア、レバノン、さらには北アフリカのスーダン、リビア、チュニジアモロッコ、こうしたマグレブ諸国と呼ばれる北アフリカや赤道直下のアフリカ地域、さらには中東地域での食糧危機が問題になっています。
この要因になっているのが、ウクライナ戦争と言われているんです。
世界情勢がうねっていく中で、この食料危機に関しては、ウクライナ、ロシア、トルコ、国連が交渉の中で、ウクライナからの小麦の輸出に関しては「ロシア・ウクライナの衝突」を抜きにして、タンカーの輸送を安全保障として守っていく、さらには黒海から地中海に抜けていく、ボスポラス海峡を管轄しているトルコ政府がボスポラス海峡を穀物の輸送経路として、そこをタンカーが経由していく通過していくことを認める。
しかし……続きはフルバージョンで✅
👇毎配信をまとめて視聴は以下より👇 (今回の動画は6月に撮影しました)
「戦場」の真実をどのくらいの人が理解しているか。戦場にある悲惨な現実。犠牲になるのは子どもたち。一方で、戦場にいる人々は「私たちと同じ」日常を持っている。これも「戦場の本当の姿」――。戦場カメラマン渡部陽一が撮ってきた写真の中から、1000枚をピックアップ。写真とともにその背景を知る。「戦場の真実」と「世界の本当」を学ぶ。
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