【中野吉之伴】「指導者とは何か、ということをわからずに指導者になる日本人が多い」

「岡崎慎司 w/ 欧州指導者組」
現地指導者に聞く「ドイツと日本、育成指導のアプローチの違い」(後編)
ゲスト:中野吉之伴さん(ドイツ・ホッホドルフU-19監督、U-13監督)
全3回 内容
前編 「サッカーをしていた日本、サッカーをしていなかったドイツ」低迷ドイツに見る育成課題とは?←配信中
後編

特別編
コミュニケーションの取れない・客観視できない指導者はなぜ現場にいるのか?←今回

ナーゲルマン就任でドイツの育成はどう変わるのか?←11/1配信予定
<テキスト解説> 中野吉之伴氏が見た「ドイツと日本、育成指導のアプローチの違い」
前編・配信内容
・ドイツの育成年代は人数制限があるのか?
・サッカーを長く楽しむ環境を作る=トッププレーヤーを作る
・ドイツが長くサッカーを楽しむ人が多い理由
・人数・サイズ・時間は、どの世代でも密接な関係にある
・ドイツの育成はなぜ統一化できているのか?
・日本の厳しさとドイツの厳しさは違う
・アウトな指導者のイメージ像とは?
・中野氏が考える育成指導者の条件
・指導者に大事ことは「観察眼」
・「自分」を評価して「他人」から評価を受ける機会を増やすべき

前編・視聴時間
23分23秒
 

 今回のdialogue w/は、ドイツでの指導キャリア22年を持つ中野吉之伴氏との対談後編。

 今回のテーマは、育成現場における「ドイツ人と日本人の指導者のギャップ」を取り上げる。

 海外で長年プレーする岡崎慎司選手とドイツで22年間育成現場の指導にある中野氏。お二人が今最も疑問を感じているのが「日本人指導者の質の低さ」だ。

 グラスルーツのテーマの一つは「サッカーを本気で楽しむ人たちを増やすこと」だが、中野氏も岡崎選手も「こんな人が指導者をしていて大丈夫?」という日本人指導者に出会うことがあるという。

  例えば、中野氏がある指導現場に立ち会ったとき、グラウンドの隅っこで子どもが一人で泣いていたそうだ。

 そこで日本人指導者に「子どもがそこでなぜ泣いているかわかる?」と聞いても、「いやわからないです。あの子はいつも泣くんです」で終わってしまう。

 まさに育成現場でのパワハラだ。このエピソードはあくまで一例だが、中野氏は「(22年前に)ドイツに来てから一度も現場で見たことがない」という。日本では「そもそもコミュニケーションが苦手なのに指導者をやりたい人が、日本にはそこそこいる」と、その問題点を指摘する。そして、岡崎選手も「指導者は一番無法地帯」と危機感を覚える。

 どうすれば、日本人指導者の質は上がるのか。育成現場でパワハラ的な指導者がいなくなるのかーー。指導者とは何か、指導者に必要な条件など、徹底議論する。ぜひご覧ください(全2回の2回目)。

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ゲスト:中野吉之伴さん(なかの・きちのすけ)

サッカー育成指導者・サッカーライター。
2001年4月に育成指導者のエキスパートを目指して渡独。地元に密着したドイツサッカーの現場で様々なカテゴリー・年代の監督を歴任。09年にA級ライセンスを獲得。ブンデスリーガのSCフライブルクで研修。現在はフライブルクの街クラブであるSVホッホドルフU19監督、U13監督として指導を続ける。また、ライターとして現場経験を生かした論理的分析をベースに、ドイツサッカーを中心に育成からグラスルーツ、プロまで様々な記事を手掛ける。

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