渡部陽一「1000枚の戦場」43~46/1000・ウクライナ(2022年9月取材)

【内容】
渡部陽一氏が撮ってきた膨大な写真の中から1000枚をピックアップし、「戦場のホント」を動画とテキストで解説する。

第11回は「43~46/1000枚目」。
今回は2022年2月24日にロシアが侵略を始めて以来、目まぐるしく情勢が変わっているウクライナ。
戦場カメラマン・渡部陽一氏が今年だけで4回の取材を敢行しました。今回は戦況が比較的落ち着いていた9月時の復興の様子も含め、渡部さんが考える、ウクライナ戦争の展望をお伝えします。

写真43/1000:首都キーウのショッピングモール
写真44/1000:ウクライナ内戦で亡くなった方の墓碑
写真45/1000:ロシア軍側が使っているソ連時代の古い戦車
写真46/1000:ウクライナの悲しみを表した赤と黒の旗を羽織る少年

「1000枚の戦場」

渡部陽一が解説する「戦場」の日常。近いようで遠い世界の本当の姿を1000枚の写真が映し出す。隔週土曜日に最新回配信。

 

 こんにちは。戦場カメラマンの渡部陽一です。

 9月の上旬から半ばにかけて、今年4回目のウクライナの前線を動いてきました。

 

 ブランドショップが並ぶ、この写真。

 パッと見たら、どこが戦争なのかと思うかもしれません。

 この時点(2022年9月上旬から中旬まで)では首都キーウのショッピングモールはブランドショップが再開していて、その店に、たくさんのお客さんも来ていたんです。

 ただ、今回の取材中、警報が繰り返し鳴りました。

 ロケットランチャーがどちらかで打ち込まれているということで警報が鳴ったんです。

 

 砲撃、ロケットランチャーが打ち込まれる戦場がありながら、日常の銀行業務やショッピングモールや地下鉄が動き始めた、何もないような日常も広がっています。

 このギャップというものが、ウクライナの中には大きくうごめいているんです。

 ヨーロッパは大きな歴史がいたるところで衝突をし、平和を引き戻し、また衝突を繰り返してきました。

 かつての冷戦というのは、欧米の資本体制、民主化体制と、かつての旧ソ連の社会主義、こうした東西の冷戦というものが1989年のベルリンの壁崩壊によって解けていき、融和政策に広がっていきました。

 しかし、ロシアのプーチン大統領が「再び強いソ連時代にロシアを引き戻す。

 旧ソ連時代を復興する」ということで、強いロシアの力でウクライナを飲み込もうとしています。

 ロシアが冬を通して兵力を再編し、ウクライナに再び大きな攻撃を仕掛けてくるかもしれません。

 その一方で、ロシア国内の混乱がプーチン大統領を崩していく可能性も今回の取材で、見えてきました。これからもウクライナ情勢大きく動いていくので、開戦から1年を迎える前(2023年2月24日)に何とか収まってほしい。

 その想いを持ちながら、これからも取材を現地で続けていきます。

(この他にも渡部陽一さんが撮影したウクライナの貴重な写真が!……続きはフルバージョンで✅)

【その他の写真】
・写真8/1000:人道回廊で蜂の巣にされた車

写真12/1000:並ぶ戦車(ウクライナ)
・写真17/1000:溶けたロシア軍戦車
・写真19/1000:広大なひまわり畑
・写真23/1000:忘れられた孤島「スーダン」
・写真27/1000:タリバーンが力を再興させた「アフガニスタン」の今
写真31/1000:新疆ウイグル自治区で暮らす人々
写真35/1000:「トランプ・共和党」熱狂の背景を映した1枚

👇毎配信をまとめて視聴は以下より👇 (今回の動画は11月に撮影しました)

 
「現場」でしか知れない、世界のホント

「戦場」の真実をどのくらいの人が理解しているか。戦場にある悲惨な現実。犠牲になるのは子どもたち。一方で、戦場にいる人々は「私たちと同じ」日常を持っている。これも「戦場の本当の姿」――。戦場カメラマン渡部陽一が撮ってきた写真の中から、1000枚をピックアップ。写真とともにその背景を知る。「戦場の真実」と「世界の本当」を学ぶ。

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