渡部陽一「1000枚の戦場」75~78/1000

78/1000「首都キーウ中央駅のプラットホームで再会する家族」渡部陽一氏が2022年6月撮影
2月24日で、1年が経過したウクライナ戦争。

今回は、戦時下でも国民の生活を支え、海外からの要人(大統領、総理)などの移動にも使われるウクライナの鉄道についてのお話です。

【1000枚の戦場】
渡部陽一氏が撮ってきた膨大な写真の中から1000枚をピックアップし、「戦場のホント」を動画とテキストで解説する。

 こんにちは。戦場カメラマンの渡部陽一です。

 2月20日から2月24日(ロシアのウクライナ侵略から1年というタイミングで)再び、ウクライナの国境取材を行いました。

 バイデン大統領や、岸田総理も隣国ポーランドからウクライナの首都キーウへの移動に空路ではなく、鉄道を使いましたが、ウクライナ取材をする時に移動手段となっているのが鉄道なんです。

 ウクライナ首都キーウを中心に実は戦時下であっても、国際列車も含めて、様々な電車が動いています。

 今回、ウクライナの鉄道の写真で一番お届けしたいと思っていた写真が首都キーウ中央駅のプラットホームの1枚。

 お花を持った男性、女性、そして子供がいます。

 ウクライナ戦争では「成人男性がウクライナから外に出てはいけない」と政府の方針で発表された為、成人の男性は戦争中でも国内に残っているんです。

 一方、お母さんや高齢の女性、子供たちはウクライナから一時的に周辺国に避難していたんです。

 ロシアのウクライナ侵略から1年。戦況はまだまだ安定しませんが、タイミングを見て、ドイツやポーランドに避難していた女性、おばあちゃん、子供たちが祖国ウクライナのマイホームに戻ってきているケースもありました。

 国際列車が首都キーウの駅に到着すると、「キーウ、キーウ、キーウです。お荷物まとめて降りる準備して下さい」というアナウンスが流れるんです。すると、それに乗っているお母さんやおばあちゃん、子供たちがみんな窓に張り付いて一生懸命外を見ていたんですね。

 何を見ていたのかというと、迎えに来てくれたお父さんや、おじいちゃん達の姿。

 何ヶ月ぶり、数ヶ月ぶりの再会。お花を持って、お父さんが待っている光景を
よく目にしました。そこでお母さんとお父さんが再会すると、みんな抱き合ってキスして子供を抱き合う。

 家族の再会の喜び。これが首都キーウの駅のプラットホームの日常でした。

《本動画のPOINT》

①    ウクライナの鉄道は戦時下とは思えない程、快適。
②    バイデン大統領も利用したウクライナの鉄道は世界中と繋がる
大切な大動脈で、国民の生活を支える重要なライフライン。
③    キーウの中央駅のプラットフォームには、再会を喜ぶ家族の姿など、
様々なドラマが。
④    世界の「乗り鉄」にも評判のウクライナの電車。戦争が終わったら、乗って欲しい。

【その他の写真】
・写真8/1000:人道回廊で蜂の巣にされた車

写真12/1000:並ぶ戦車(ウクライナ)
・写真17/1000:溶けたロシア軍戦車
・写真19/1000:広大なひまわり畑
・写真23/1000:忘れられた孤島「スーダン」
・写真27/1000:タリバーンが力を再興させた「アフガニスタン」の今
写真31/1000:新疆ウイグル自治区で暮らす人々
写真35/1000:「トランプ・共和党」熱狂の背景を映した1枚
写真39/1000:金日成・正日が示す威光
・写真46/1000:ウクライナの悲しみを表した赤と黒の旗を羽織る少年
・写真51/1000:頭にボールを乗せるイラクの少年
・写真55/1000:イラクの群衆
・写真61/1000:街中を監視するアフガニスタンの男性セキュリティ
・写真64/1000:
燃やされたウクライナ北西部のアパート
・写真70/1000:シリア国旗のミサンガをつけた避難民
・写真74/1000:ポーランドとウクライナ・キーウを繋ぐ国際列車

👇毎配信をまとめて視聴は以下より👇 (今回の動画は2023年3月に撮影しました)

 
「現場」でしか知れない、世界のホント

「戦場」の真実をどのくらいの人が理解しているか。戦場にある悲惨な現実。犠牲になるのは子どもたち。一方で、戦場にいる人々は「私たちと同じ」日常を持っている。これも「戦場の本当の姿」――。戦場カメラマン渡部陽一が撮ってきた写真の中から、1000枚をピックアップ。写真とともにその背景を知る。「戦場の真実」と「世界の本当」を学ぶ。

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