渡部陽一です。
7月16日からサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールの3カ国を訪問した岸田総理。
サウジアラビアではビン・サルマン皇太子、アラブ首長国連邦(UAE)ではビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領、カタールではタミム首長とそれぞれ会談しました。
日本の首相が中東に訪問するのは、約3年半もの期間が空いているだけに、今回岸田総理にとって初めての中東歴訪には、どんな狙いがあったのか、注目が集まりました。
今回は岸田総理の中東訪問した3か国のそれぞれの目的について、解説します。
INDEX
Q1.サウジアラビア訪問の狙いは?
Q2.UAE訪問の狙いは?
Q3.カタール訪問の狙いは?
Q4.今回の中東歴訪。成果と課題は?
Q1.サウジアラビア訪問の狙いは?
サウジアラビアと日本の関係
サウジアラビアは日本の原油輸入のうち、約40%を占めており、日本にとってのエネルギー基幹国家です。
ただ、ムハンマド皇太子が原油頼りの政策からの脱却を目指す『ビジョン2030』を推進していて、脱炭素を目指す産業の多角化改革に日本の技術がパイプになる可能性があります。
サウジアラビアが日本に期待していること
特に脱炭素の柱である水素技術、アンモニア技術に期待です。
近年、中東での存在感を高めている中国や韓国に、日本がどこまで技術革新で答えられるかを問われています。
現在、アメリカとサウジアラビアは友好関係にありますが、サウジアラビアはアメリカの後ろ盾なしで中東地域の安全保障体制の構築を模索。
日本の支援関係を保ちたいところです。
日本がサウジアラビアを訪問した狙い
日本にとって、原油、天然ガスの安定供給は不可避。
政情不安な世界情勢の中で、サウジアラビアを主軸にした湾岸エネルギー供給網は日本産業には絶対的不可欠であります。...