「首都キーウに掲げられていたウクライナ国旗」 2023年5月 渡部陽一撮影

 渡部陽一です。

 今日6月24日で、ロシアによるウクライナ侵略(2022年2月24日)が始まってから1年と4ヶ月が経ちます。
 
 戦争が長引けば長引くほど、被害は当然、甚大になっていくのですが、先日(6月21日から2日間)、ウクライナの復興について話し合う国際会議がロンドンで行われました。

 世界銀行や国連などの3月時点の試算では、ウクライナの復興費用は総額で約58兆円。

 また、今年6月にはウクライナ南部のカホウカ・ダムの決壊で大きな損害が出ており、復興費用がさらに増えるのは確実と見られています。

 こちらのダムの決壊で推定2100億円の環境被害が出たという見方もありますが、この試算には農業やインフラ施設、住宅などの被害が含まれていません。

 戦争が止まらない限り、復興への道のりは果てしなく遠いものになってしまいます。

 今回は1年4か月が経過した現時点のウクライナ情勢と、今後、懸念しているポイントをご説明いたします。

INDEX
Q1.現在の戦況どちらが優勢か?
Q2.首都キーウの状況は?
Q3.民間軍事会社「ワグネル」とロシア軍の関係は?
Q4.「自由ロシア軍団」とは?
Q5.ウクライナ情勢3つのポイント

Q1.現在の戦況どちらが優勢か? 

「ウクライナ戦争で破壊されたロシア軍戦車」2023年5月 渡部陽一撮影/figcaption>


...